「シフト表を作りたいけれど、専用ソフトを導入するほどではない」——そんなとき、まず候補に挙がるのがエクセル(Excel)です。エクセルなら追加コストなしで始められ、自由にレイアウトを調整できます。
この記事では、エクセルでシフト表をゼロから作る手順を、関数や条件付き書式の具体的な設定例つきで解説します。すぐに使いたい方向けの無料テンプレートも用意しました。あわせて、エクセル運用でつまずきやすいポイントと、シフト管理アプリに移行すべきタイミングも紹介します。
シフト表の無料エクセルテンプレート(ダウンロード)
まずは完成形を見たい方・すぐ使いたい方は、以下のテンプレートをダウンロードしてください。
- 月間シフト表(縦:スタッフ/横:日付。勤務記号のプルダウン・土日祝の自動色分け・人数/労働時間の自動集計つき)
- 時間帯別シフト表(1週間を時間帯で区切るタイプ。飲食店・小売店向け)
※ダウンロードリンクをここに設置
「年」と「月」を入力するだけで日付と曜日が自動で切り替わり、土日は自動で色分けされます。そのまま使っても、自店舗に合わせてカスタマイズしてもOKです。
エクセルでシフト表を作る6つの手順
テンプレートを自作したい方・仕組みを理解してカスタマイズしたい方向けに、作成手順を順番に解説します。
手順1. レイアウトを決める(縦軸・横軸の設計)
シフト表の基本レイアウトは2種類です。
- 月間タイプ:縦軸にスタッフ名、横軸に日付。1ヶ月の勤務予定を一覧できる。介護施設・クリニック・オフィスなど向け
- 時間帯タイプ:縦軸に時間帯、横軸に日付。時間帯ごとの人員配置が見える。飲食店・小売店・コンビニなど向け
迷ったら月間タイプから始めるのがおすすめです。B1セルに「年」、D1セルに「月」の入力欄を作り、A列にスタッフ名、3行目に日付を並べる構成にすると、後述の自動化がしやすくなります。
手順2. 日付と曜日を自動表示する(DATE関数・TEXT関数)
日付を毎月手入力するのは非効率なので、関数で自動化します。
- B1セルに年(例:2026)、D1セルに月(例:7)を入力
- 日付の先頭セル(B3)に
=DATE($B$1,$D$1,1)と入力 - 隣のC3セルに
=IF(B3="","",IF(DAY(B3+1)=1,"",B3+1))と入力し、31日分(AF列まで)右へコピー。こうすると2月や30日までの月では余分な日付が自動で消えます - 曜日の行(B4)に
=IF(B3="","",TEXT(B3,"aaa"))と入力してコピー(「月」「火」…と表示される)
これで年と月を書き換えるだけで、翌月のシフト表がすぐ作れます。
手順3. 土日・祝日を自動で色分けする(条件付き書式)
曜日ごとの色分けは「条件付き書式」で自動化できます。
- 日付〜シフト入力範囲(B3:AF14など)を選択
- 「ホーム」→「条件付き書式」→「新しいルール」→「数式を使用して、書式設定するセルを決定」
- 日曜なら
=WEEKDAY(B$3)=1、土曜なら=WEEKDAY(B$3)=7を入力し、それぞれ塗りつぶし色を設定
祝日も色分けしたい場合は、シートの空き列に祝日の日付リストを作り、=COUNTIF($AK$2:$AK$30,B$3)>0 のようなルールを追加します。
手順4. 勤務記号をプルダウンで入力できるようにする(入力規則)
「早」「日」「遅」「夜」「休」などの勤務記号を手入力すると、表記ゆれ(「休み」「公休」など)が起きて集計が狂います。プルダウン化して防ぎましょう。
- シフト入力範囲を選択
- 「データ」→「データの入力規則」→「入力値の種類」で「リスト」を選択
- 「元の値」に
早,日,遅,夜,休のように記号をカンマ区切りで入力
手順5. 人数と労働時間を自動集計する(COUNTIF関数)
シフト表の下に集計行を作ると、「この日、早番が足りない」といった過不足がひと目で分かります。
- 日ごとの早番人数:
=COUNTIF(B5:B14,"早") - スタッフごとの出勤日数:
=COUNTIF(B5:AF5,"早")+COUNTIF(B5:AF5,"日")+COUNTIF(B5:AF5,"遅")+COUNTIF(B5:AF5,"夜") - スタッフごとの月間労働時間:勤務記号ごとの時間数を別シートに定義し、
=SUMPRODUCT(COUNTIF(B5:AF5,設定!$A$2:$A$5),設定!$B$2:$B$5)で算出
パート・アルバイトの扶養内調整をしている場合は、月間労働時間の集計列を必ず入れておくと管理が楽になります。
手順6. 印刷・共有の設定をする
- 「ページレイアウト」→「印刷範囲の設定」で表全体を指定し、「シートを1ページに印刷」に設定
- 店舗に掲示する場合はA3横向きが見やすい
- データで共有する場合はPDF化して配布(編集されて崩れるのを防ぐ)
シフト表作成に便利なエクセル関数まとめ
| 関数 | 用途 | 例 |
|---|---|---|
| DATE | 年月から日付を生成 | =DATE($B$1,$D$1,1) |
| TEXT | 日付から曜日を表示 | =TEXT(B3,"aaa") |
| WEEKDAY | 曜日判定(色分け用) | =WEEKDAY(B$3)=1 |
| COUNTIF | 記号の数を集計 | =COUNTIF(B5:B14,"休") |
| COUNTA | 入力済みセル数 | =COUNTA(B5:B14) |
| SUMPRODUCT | 労働時間の合計 | 記号ごとの回数×時間の掛け合わせ集計 |
エクセルでシフト管理するメリット
- 追加コストがかからない:多くの職場にすでに入っている
- 自由度が高い:レイアウト・記号・集計方法を自店舗仕様にできる
- 誰でも触ったことがある:新しいツールの学習コストが低い
小規模で、シフトパターンが少なく、変更もあまり発生しない職場なら、エクセル運用で十分回るケースもあります。
エクセルでのシフト管理の限界・デメリット
一方で、スタッフが増えたり変更が頻発したりすると、エクセルの弱点が一気に表面化します。
希望シフト(出勤可否)の収集・転記が手作業になる
エクセル自体には希望を集める機能がないため、LINEや紙で集めた出勤可否を1件ずつ転記することになります。転記ミス・見落としが起きやすく、シフト作成時間の大半がこの作業に消えがちです。
変更・共有のたびに手間が発生する
急な欠勤や交代のたびにファイルを開いて修正し、再配布・再掲示が必要です。「最新版がどれか分からない」問題も起きやすく、古いシフトを見て出勤するトラブルの原因になります。
労務チェックを自動でしてくれない
連勤の上限、月間労働時間、深夜勤務などのルール違反があっても、エクセルは警告してくれません。関数を組めばある程度チェックできますが、メンテナンスできる人が退職すると誰も触れない「属人化ファイル」になりがちです。
スマホでの閲覧・記入がしづらい
学生アルバイトやパートスタッフのほとんどはスマホでシフトを確認します。エクセルファイルはスマホだと見づらく、希望の記入もほぼ不可能です。
シフト管理アプリに移行すべきタイミング
次のような状態になったら、エクセルからシフト管理アプリへの移行を検討するサインです。
- スタッフが10名を超え、出勤可否の転記だけで1時間以上かかっている
- シフト変更が週に何度も発生し、最新版の共有が追いつかない
- 「シフトを見ていなかった」による欠勤・遅刻が起きた
- シフト作成が特定の1人にしかできない状態になっている
シフぽちなら、エクセル運用で手作業になっていた部分をそのまま自動化できます。スタッフごとに発行されるログイン不要の専用URLをLINEで送るだけで出勤可否を収集でき、回答はシフトの自動作成にそのまま反映。休暇・役職・連勤上限・月間労働時間上限といった条件を満たすシフトを最適化エンジンがワンクリックで作成し、特定のスタッフに負担が偏らないよう公平性も自動で考慮します。
完成したシフト表は認証不要の共有リンクをLINEでワンタップ送信するだけで、スタッフは常に最新版をスマホから確認できます。スタッフ側のアカウント登録やアプリのインストールは不要なので、移行時の教育コストもほとんどかかりません。CSV・PDFエクスポートやGoogle Calendar連携にも対応しているため、「まずはエクセルや紙の掲示と並行して試す」使い方も可能です。しかも完全無料で利用できます。
よくある質問
Q. エクセルのシフト表を無料で使えるテンプレートはありますか?
この記事の冒頭で月間タイプ・時間帯タイプの2種類を無料配布しています。Microsoft公式やその他のサイトにもテンプレートはありますが、勤務記号や集計方法が自店舗に合うかを確認してから使いましょう。
Q. エクセルでシフトを自動作成できますか?
関数やマクロ(VBA)を駆使すれば部分的な自動化は可能ですが、休暇希望・役職の配置・連勤上限・労働時間上限をすべて満たす自動作成を組むのは現実的ではありません。自動作成が目的なら、シフぽちのように条件を設定するだけで最適化エンジンがシフトを自動生成してくれるツールを使うほうが早くて確実です。
Q. スマホでエクセルのシフト表を共有するには?
PDF化してLINEグループに送る方法が一般的ですが、変更のたびに再送が必要で、どれが最新か分からなくなりがちです。シフぽちのようなLINE連携型のシフト管理アプリなら、認証不要の共有リンクを一度送るだけで、スタッフは常に最新のシフトをスマホから確認できます。
まとめ
エクセルでのシフト表作成は、テンプレートと関数を活用すれば十分実用的に始められます。まずは本記事のテンプレートをダウンロードし、自店舗に合わせてカスタマイズしてみてください。
ただし、スタッフ数の増加や変更の頻発とともに、転記・共有・労務チェックの手作業が確実に負担になっていきます。「シフト作成に毎月何時間もかかっている」と感じたら、無料で使えるシフト管理アプリへの移行を検討するタイミングです。